クララ「あっ!?」

クララは、思わず声をあげた。

「ようやく、お会いできましたわね。 私の事、覚えて下さっていたようですわね。」

金髪の美少女が、じっとクララの方を見つめ、落ち着いた声で語る。

「えっ、なに、なんなの!?」

もう一人の新入生、緑髪の少年は、入学早々訳が解らない場面に出くわしてしまい、
可哀想にうろたえている。

Mr.フランシス「なんだ、知り合いかね? クララくん。」
クララ「はい、そうなんです、以前お会いしたことがあって、、、」
Mr.フランシス「まあ、なんだ。 他の皆は知らないと思うので、、、」

先生の話が終わる前に、金髪の美少女が口を開き、皆に向かって、言う。

「シャロンですわ。 覚えていて頂戴。」

先ほどまでとは打って変わって突然高圧的に話しだした、彼女はシャロン。そして、

「えっと、、、僕は、ラスク! 皆、よろしくお願いしますっ!」

高圧的なもう一人の雰囲気に負けないように、ちょっと強がる感じで自己紹介をした
彼の名は、ラスクというらしい。

Mr.フランシス「では、そういうことだ。 それでは、早速授業を、、、」
レオン「先生、ちょっと待ってくれ、、下さいよ!」
Mr.フランシス「何だ? レオン。」
レオン「そいつ、気にいらねぇ!」

レオンは、優雅に席についたシャロンを指差し、叫んだ。

レオン「なんなんだよ、礼儀ってもんがあるだろっ!? 真面目に自己紹介しろよ!」

教室が、静まり返る。

レオン「、、、先生、臨時の呪文書勝負、やらせて下さい!」
Mr.フランシス「何っ、、、シャロン君と、か、、、!?」
レオン「はい。 俺が勝ったら、そいつは入学してすぐの中級魔術士だから、、、」
シャロン「勲章をかけるのでしたら、確かに、私は降格して、クラスから外れますわね。」

シャロンは、そう言いながら腰を上げ、※呪文書を取り出した。

※呪文書は、各階級毎に、生徒一人につき一冊支給される。
  全ての呪文書には同じ内容の知識が書かれていて、大体、7割以上を把握すれば、次階
  級に進めるようになっている。 魔術師の強さは、呪文書の内容をどれだけ把握していて、
  手早く必要な頁を開くことが出来るか、に依る。


レオン「面白ぇ、解ってて、やるってんだなぁ!?」
シャロン「受けて立ちますわ。 ただ、わたくしが勝っても、貴方の勲章はいりませんわ。」
レオン「何ぃっ!? 馬鹿にしやがって!!」
シャロン「いいえ。 何も要らないとは、申してませんでしょう?」
レオン「じゃあ、何がいるってんだよ!?」
シャロン「そうですわね、、、」

一息つき、シャロンは、

シャロン「寮の部屋、わたくしを、クララさんとの相部屋にして頂戴。」
ルキア「なっ、、、ちょっと待ってよ! それって、私に出てけってコト!?」
シャロン「あら、、、今、貴方がクララさんと同じ部屋ですの? 残念でしたわね。」
ルキア「、、、先生、私、レオン君に加勢します。」

※呪文書勝負は、2対1等でも、行うことが出来る。
  流石に、3対1で行われることは、滅多にないようだが、、、

クララ「え、あの、シャロンさん、、、」
シャロン「ごめんなさい、クララさん。 でも、私の好きにさせていただきたいの。」
ラスク「みんなぁ、仲良くしようよ、、、」
アロエ「そうだよぉ、みんな、ケンカなんかしないでよぉ、、、」

ラスクは、本当に、入学早々こんな騒ぎに巻き込まれ、たまったものではない。

シャロン「2対1、結構ですわ。」
レオン「ますます面白ぇ、、、覚悟は出来てんだろうなぁ!」
カイル「落ち着きなさい、レオン君!! 女性に対してそれはないでしょう!」
セリオス「だが、カイル。 レオンの言うことにも、一理ある。」

普段は二人で争っているセリオスでさえ、レオンを肯定する。

Mr.フランシス「、、、仕方ない。 呪文書勝負は、やってくれと頼まれた場合、、、」

魔術学園の教師は、断ることが出来ないのだ。
それが、この学園の掟の一つ。
対戦者間で、了解があり、その上で教師に仲介の依頼があれば、教師側は、
ただ呪文書勝負を開催するしかない。
確実に何かを失う者が出るため、最近は生徒からも敬遠されていたのだが、、、

Mr.フランシス「形式は、『○×即答、3ポイント差で終了』に決まった。」

先生が、ダイスを転がし、出題形式を決定する。

レオン「うおっしゃあ! 得意形式だぜ!」
ルキア「私も、苦手じゃないよ。」
シャロン「御託は結構ですわ。 さっさとして頂戴。」

Mr.フランシス「では、勝負開始だ。」


クララたんをめぐる、熱い戦いが!(違
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