((指令5・帰還せよ)

その後のことを、サンダースは良く覚えていない。
どうやら、試験後の打ち上げで柄にも無くはしゃぎすぎてしまったらしい。
でも、何故か無性に嬉しかったことを覚えている。
それは、今までに一度も味わったことの無い、何ともいえない気持ちだった。

「仲間、か・・・戦友、ということなのだろうか・・・」
サンダースはあの時のカイルの言葉が忘れられない。
そしてあの後、あの場にいた皆が自分を「仲間」だと認めてくれたのだった。
今までの自分には存在しなかった「仲間」。
一度も欲しいとは思わなかったが、いいものなのだな・・・・

「あ・・・そういうことだったのか、なんだ・・・」
急にレギン将軍の言葉を思い出したサンダースは、全てを理解した。
試験の前に、一人で戦おうとしていたこと。敗北。
その後の皆の戦いぶり。「仲間」。
それらの全てが、一つの答えに昇華していく。
もう、教科書を思い出すことはしなくてよさそうだった。

「命令違反になってしまうのだろうか・・・」
レギン将軍は、「答えを見つけるまで戻ってくるな」と言っていた。
もしこれが「答えを見つけたら戻って来い」ということなら、今すぐ戻らなくてはいけない。
軍人として、命令違反は許されない。
でも・・・・・
自分はまだここにいたい。彼らと一緒に、学んでいきたい。少なくとも、共に賢者になって、卒業するまでは・・・

拝啓
レギン将軍様。私は今、この地で「仲間」達と、共に学んでいます。
答えは、その後にでもゆっくり考えますので、それまでお待ちください。
敬具

・・・・・なめた「報告書」だが、これでクビになったらその時はその時だ。
もっとも、その時のサンダースの脳裡には、「報告書」を笑って机に仕舞う将軍の姿しか映らなかった。


                                  FIN

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管理人注釈
 ありがとうございました、C・ドクテンさん。
 まさかサンダースで「良いお話」がくるとは思っていませんでしたので、嬉しい誤算でした(ぉ
 、、、マラリヤ様、登場させないとヤヴァイですね(滝汗
 マラリヤ様は、自力で登場させますとも!
 ドクテンさんが、サンダースを上手く登場させて下さったので、あとは楽そうですし(何
 ではでは、続編にも期待しております!